ピンフリ姫のわがまま!!

「あれは母さんの!!つかお前ホント鈍いのな。」


「え…?」


な…何なの…?


「知らないの?俺はいつだって梨音一筋。」


手紙をそっと渡された。


「え…」


そこに一言だけ書いてある言葉…。


『お前が好きだ…』


私は思わず王子を見つめた。


「姫は拓也先輩が好きだろうけど…」


「違うし…。」


私は立ち止まった。


「え…?」


諦めたら何も始まんない!!


頑張った事は誰かが見てくれるってのは

この事だろう…。


「私は王子が好き。大好き。世界の誰よりも…」


涙が止まらなかった。私の恋が叶った…。


「あんたが…ずっと…好きだった。でも…拓也先輩が…好きなんだってその想いを…消した…。」


―――ガバッ…


王子が私を抱き締めた。
< 63 / 64 >

この作品をシェア

pagetop