cafe au lait
────お母さんの誕生日なんて、大嘘だ。遥斗は、私の嘘も見抜けない。
仕事帰りに、cafe au laitに寄るのは初めてだ。
チリンチリンと鈴がなる。
「と、トーコさん!?」
「こんばんわ」
胤くんは、清掃中なのか床を掃いていた。
「すみません、今すぐエスプレッソいれますね」
「ううん、いいの。もう営業時間終わり?」
「え? あ、はい」
cafe au laitに体を投げ入れて、私は無謀なお願いをすることにした。