cafe au lait
「胤くん、お願い。私のこと助けて」
店の外が暗くなったこの時間、cafe au laitは私が知るcafe au laitよりも、もっとノスタルジックになる。
胤くんは、訳のわからない、という顔で清掃用の箒とちりとりを手にしたまま立ち尽くす。
昼間、彼が工場に来てくれた時にひょっとしたら彼が私を助けてくれる存在なのかもしれないと思った。
私と遥斗を助けてくれる。私に遥斗以外の男を教えてくれるかもしれない。
こんなこと、今までの私なら考えつかなかっただろう。
私たちの問題を第三者に解決してもらうなんてどうかしてる。
でも、私ひとりじゃ遥斗には太刀打ちできない。