Blue Blue....and Blue
夏の日差し
セミの声
ジリジリと熱を送り続ける太陽に
熱風にも似た、熱い風
そんな夏特有ののBGMに身を預けながら、必死に無関心を装っていると
「1人、すっげぇキレイに泳ぐ子がいるよな。」
シンゴはウットリしたように、優しげな表情でそう呟く。
その言葉におののいて、ハッとシンゴを見上げると
「俺も…ずっと見てた。
あの子のこと。」
フッと柔らかに微笑んで、アイツはこう言葉を繋げる。
「俺…あの子のことずっとココから見てたから、すぐ気づいたよ。」
「…何に。」
「ソラも…あの子を見てるってコト。」
ミンミンと耳に響く、やかましいアブラゼミの声
校庭から聞こえる運動部のヤツラの、暑苦しいかけ声
いつもなら眉をしかめるほど大嫌いなそれらの音
だけど…今だけは“助かった”
だって、その害音がシンゴとの間に生まれた、無音の間を上手に隠してくれるから。
この喧騒が
俺のウソを上手に隠してくれるから。