誠の紅桜に止まる蝶~土方目線~
そして土方さんたちが戦場に向かい2日がたった。

「綺麗・・・・」

私は眠れず一人部屋から月を見上げる。

「冬の月・・・・か・・・・」

冬の月は記憶を呼び覚ます。

そして私はうとうとと眠りにつく。

ゆらゆらと波を漂うような感覚。

するとふわっと誰かが私に何かをかけて持ち上げる。

誰かに運ばれているようだ。

私は思い瞼をそっと上げる。

「ひ、じかたさん・・・・・」

「ああ、起こしちまったか。」

腕の中で驚いたようにこちらを見上げる蝶。

「え、あ、い、いつ戻られたんですか?!」

「いまだ。ったく、こんな真冬の日にここで眠ると風邪ひいちまうぞ?」

「あ、す、すいません・・・って土方さんどこも怪我していませんか!?」

慌てたように俺の顔をぺたぺたと触る。

「ああ、大丈夫だ。」

それでも蝶は疑う様に俺の体を見る。

「ったく、お前も沙織も心配性だな。」

俺は苦笑いでつぶやく。
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