ハスキーボイスで酔わせて


待ち合わせの駅前ロータリーにはたくさんの人間がいた。

女性は浴衣姿が多く、中には男性の甚平姿もちらほら。


春樹さんどこにいるのかな…?



電話でやり取りしながら、目を凝らして辺りを見渡す。


その時彩ーと呼ぶ声に振り返ると、
浴衣姿の春樹さんが下駄を鳴らして近づいてきた。


「っ////」


シンプルな黒地に足元には蜘蛛の巣の絵。

髪型も普段のようなラフスタイルではなく、
軽く後ろに流した艶のあるオールバック。


< 103 / 316 >

この作品をシェア

pagetop