なつものがたり



気付いたら携帯を眺めて、希鷹の名前を探している。








着信のボタンを押そうとする、自分の手を制御することで “好き” の大きさに気づく。








希鷹からの連絡がもう二週間もないことで、あたしたちコンビは本当にお別れしてしまったことを痛感した。










「会いたい、」








口に出せば、スッと空気に溶けていく言葉。







あー!!!!

自分らしくないっくっそー!

ばか希鷹ー!!!!!






そう思いながらも、心の何処かであなたが泣いてあたしの元へ戻ってくることを望んでしまっている。





サイテーなのは、あたしだ。





















第一章 完結。
< 22 / 92 >

この作品をシェア

pagetop