なつものがたり





「子どもっぽー!
今日は俺が奢ってやるよ。そう、急ぐなって。」










なんだか、余裕しゃくしゃく、みたいな態度しやがって。


ムカついて、1人馬鹿みたいで、どうしようもなく 救われなかった。







帰りの車も、馬鹿みたいな会話して笑ってふざけあって楽しくて楽しくて。


これが終わったら家についてしまったら、全てが終わってしまうことが嘘みたいで。












車が家の前についた時には、苦しくなった。







みじめったらしいのは嫌だから、


「ま、フられたらまた遊んでやるよ」






って、今日、海に連れてってくれたお礼もろくに言わず、希鷹の顔さえろくに見ずにドアを乱暴に閉めた。








サンキューって、声が聞こえた気もしたけど、涙を隠すことで精一杯だった。









あたしの夏休み、2日目にして失恋で終了です。



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