私と彼の不器用な恋愛~続編 完結!(加筆修正中)
だから思いの外、この半年は穏やかに過ごしていたと思う

なのに今、順がいきなり大学のグランドにやってきて

私を抱きしめながらよく解らないことを言っている

どれだけ走って来たんだろう?

すごい汗の順

「ねえ、何で私が走る事辞めるの?」

思ったまま聞いてみた

「何でって冴英、ケガで走れねぇって」

まだ少し息を切らしながら順が言う

「手をケガしたんだよ?私、長距離ランナーだけど…」

一瞬の沈黙の後

「やられた…」

順はそのまま座り込んでしまった

落ち着いてから、どういう事か説明してもらったんだけど

どうやら須崎さんがあまりにも不器用な私達を何とかしようと一芝居打ってくれたみたいだった


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