君の知らない空


「お疲れ、今どこ?
もう電車乗った?」


桂一の声を聴いて、胸が熱くなった。


「ううん、まだ歩いてる。
もうすぐ駅に着くところ」


涙が溢れてこないように、
桂一に悟られないように、
はっきりと答えると、


「よかった、駅で待ってて、
すぐに行くから」


ほっとしたように言って、すぐに電話を切った。





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