初恋はレンタル彼氏
「高坂さん」




話しかけてきたのは、畑田さん。





「あ、ごめんっ私たらぼーっとしちゃって…」


本当は応援しなきゃなのに…




「いいよ、いいよ。まだ午前だし…盛り上がるのは午後からだから、今のうちに休んだ方がいいよ」


ニコッと笑いながら、私の隣の椅子に座る畑田さん。



畑田さんとは、最近よく話す。

すごく素直で優しくて、いい子だと思う。


私は愛梨のことがあったから、女子に割りとバリア張ってたけど、畑田さんは大丈夫か…?

うーーん…




「あ、ほら…漆原くん戻ってきたよ」

「え…」


畑田さんが指差した先に、玲が吉田くんたちといるのが見えた。




『続いては2年生の女子による100メートル走です。出場する生徒はグラウンドに……』


校内放送がかかった。




「高坂さん、一緒に行こ」

「うんっ」


畑田さんと、入場場所に向かおうとしたその時…





「莉緒!」
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