初恋はレンタル彼氏



後ろから玲に名前を呼ばれ、くるっと振り返る私。






「がんばれよ」


…!

玲はふわっと笑ってそう言った。

私は恥ずかしがりながらも、こくんと頷いて出場場所に向かう。


その間、畑田さんにからかわれた。





「よーい……パンっ」


女子の100メートル走が始まる。



あーやだやだ。

走るのなんて、全然得意じゃないもん。


それに玲が見てるのに……



ちらっと白組の応援席を見ると…

玲は一番前の席から、女子の競技を見ていた。



ギャーーー嫌だ嫌だ嫌だ!

走ってるとこなんて、玲に見られたくないっっ




「はい、次…よーい……」


やばい、次の次で私の番だ!

あーこの前みたいなどしゃ降りの雨が、いきなり降ってくれないかな…




パンっ
< 128 / 375 >

この作品をシェア

pagetop