神様さえも朽ちらせる忌わしき呪物

 恐怖の存在は勝手にその影を増幅させ、村人の心を潰していた。

 居るだけで恐怖だったんだ。

 そこに居るだけで、誰かを殺す力があると言うだけで。

 殺していないし、願っていないけど。

 そんな力を持つことじたいが恐怖だったんだ。

 全てを悟ってなお、ミッシェルは抵抗した。

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