キウイの朝オレンジの夜


「・・・ならないわけ、ないじゃないですか」

 あたしの返事に現在「水も滴るいい男」代表の稲葉さんはにっこりと笑った。

「ふやける前に上がろう。腹減ったか?」

「はい。・・・よく考えたら、お昼も食べてません」

 ドアを開けて換気扇を回し、タオルをあたしにくれながら彼が言った。

「何か注文するから、それ待ってる間に一回抱かせて」

 思わず頭を壁に打ち付けそうになった。・・・何を言うんだ、この人は。

「・・・無理です。お腹すいてそんな体力ない・・・」

 振り返って、にやりと笑った。

「お前は、横になっててくれたらそれでいいんだけど」

 ひょえー!!あたしは照れて金縛り状態だ。この美形がこんなにエロイと誰が想像した!??ううーん・・・いつまでも驚きが絶えないぜ、この人といると。

 自分の提案にうんうんと勝手に頷いて、稲葉さんはズボンだけをはき、電話で料理を注文しだした。

 そしてあたしに自分のシャツを出して渡し、言った。

「パジャマ代わりにそれ着てて。すごいそそるから我慢出来るか自信ないけど、来るのが早い中華を注文してしまったから、性欲の処理は飯の後に回すことにした」

 ・・・・そうですか。別にそれって慰めにならないよね、と思いながら、あたしは髪をタオルで巻いて、稲葉さんの大きなシャツを羽織る。ダボダボで、お尻まで隠れるし、指先はちょっとしか出てない。

 稲葉さんが口に拳を当てて唸る。


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