ヘタレ少年と恋模様
さらに盛り上がる教室。
それに比例して教室の外に増える人だかり。
もうなんだよこれ。
俺は一体どうすればいいんだ。
チラッと友を見れば俺に向かってガッツポーズをしていた。
いや、意味わかんねーよ!
なんなんだよここで俺に発言しろって言いたいのか?
こんなに盛り上がっている中、それはかなり無茶振りだろう!
涙が出そうになるのを耐え、思い切って口を開く。
ここでしり込んでたら男じゃないよな!
いけ、俺!
「あ、あの」
途端、静まる教室。そんな大声で発したわけでもないのに、なぜ一斉にみな黙る?
視線が俺に集まる。
顔が熱くなるのを感じながら、言葉を紡いだ。
「じゅ、授業もう始まります……よ」
たどたどしくそう言えば、誰も喋らずそそくさと席につくクラスメートたち。
このクラスの一体感はなんなんだ!
まだ入学して数日しか経ってないぞ!