パラレルワールドの存在証明
何かしら言っていた様な気がするが聞かなかった事にして風呂場に押し込んだ。
預かった服を改めてよく見る。
ジャケットとズボンは深い青色。ズボンはローライズでジャケットもウエスト辺りまでしかないだろう。折り返しの袖口や襟には金色のラインが入っている。黒いネクタイにはおそらく団体のマークの様なものが付いている。

「これもなんかの制服なのかな?学校じゃないのは確かだけど。」

ジャケットは洗うと面倒なことになりそうだったのでハンガーに掛けてスプレーをするのにとどめておく。シャツは洗濯機に放り込む。

「下着はー…勝手に洗ったら怒られるかな…?まぁ、いっか!!じゃあ下着の変えも用意しなきゃ、確かさらの下着があったはず…。」

てきぱきと用意をこなし声をかける。

「着替え脱衣場の籠に入れています!置いてある下着は新しいので!」

「えぇ!!?すいません!!下着まで!!」

「気にしないで下さい!すぐにシャワー浴びて貰うの癖になってるんで!!」

ゆっくりシャワー浴びて下さいね~という声が風呂場から離れて行った。

『すごい大胆と言うか、男に半強制で風呂に入れるなんてスゲェな…。恥ずかしさもなにも感じ無かった…。行動が母さんと変わらねぇ…。」

そんなことを思われているとは露知らず、自分は鼻歌まじりでシャワーをするのであった。
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