パラレルワールドの存在証明
「そんな…。何とかならないの?」

「ん?心配すんな。お前の存在が消えないように俺が居るんだろうが。お前は普通にしてたらいいんだよ。」

「違う。私じゃなくて、あんたよ。あんたの影は誰に守って貰うの?」

「そんなの、自分でするに決まってるだろ?」

言っているが実際は簡単だとは思わない。自分を守って私も守って。簡単な訳がない。二人を守らなくてはいけないのだ。もし、二人同時に襲われたら?二人を一度に守るのは無理がある。

「私はなんにも出来ないの…?」

「はぁ?」

「私に出来る事は無いの?自分の身位自分で守れるよ!?」

「ハァ?!なに訳わかんねぇ事言ってるんだ!!んなこと出来るわけねぇだろ!」

「だって…!ただ、守って貰うのだけはわりに合わないじゃない!!それに私格闘技やってるから普通の子よりずっと強い自信はあるし!!」

一緒に戦わせて!!

行きを荒くして詰め寄る。沈黙が辺りを包んで自分の息づかい以外が聞こえなくなる。時が止まったかのように感じだした頃、目を丸くして聞いていたと思っていたら私の前に座っていた男の子は渋い顔をしながらおもむろに立ち上がって掛けてあった自分のジャケットをハンガーからはずした。



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