パラレルワールドの存在証明
行くか、と言われて付いていった先は。

「と、トイレ!?」

公園の中にあった公衆トイレだった。

「えっ!?何、もしかしなくてもここが目的地…!?」
「間違ってはないがちょっと違う。あくまでもここは入り口。」
「トイレが入り口って何かやだな…。」
「別にトイレって決まってねーよ。ここが近かったからだからだけだ。」
「へー!!じゃあどこでもいいの?便利だね。」

ちょっとはしゃぐ。さっきから不思議な事ばっかりで好奇心が止まらない。信じられない事になってるんだからと割りきって楽しむ事にしている。

「じゃあ行くぞ。」

そういってトイレの壁にドアノブのような球体を近づける。すると吸い込まれる様に扉に付いた。

「はーなんかハイスペックなんだね。文明が進化したらこういうことが出来るようになるのかな?」

「さぁな、まぁこれは次元を行き来するようだから。何処でも行けるって訳じゃねぇよ。」

ドアノブに手を掛けてゆっくりと回す。
夏の明るい光が白い光にかき消えた。



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