金色の師弟

しばらくすると、店から出てくるアデルの姿が見えた。
ルイはすぐに馬から顔を離すと、首を伸ばした。
アデルは女性の店員と二言三言交わすと、軽く手を上げて店を後にした。

二人の視線が絡み合う。

人混みの中、距離も離れていたのに、アデルは一瞬でルイを見つけだした。
ルイの視線を受けていると気付いたアデルは、口元に緩く弧を描く。
静かだが自信に満ちた笑みに、ルイの胸は高鳴った。

(馬が一緒にいたから目立ってただけよ……)

すぐに見つかったのはそのせいだと自分に言い聞かせ、ルイは頬を染めて視線を斜め下へ動かした。
アデルは人混みなどものともせず、涼しい顔でルイの元へと戻ってくる。

「待たせて悪かったな。さぁ、帰ろう」

ルイは黙って頷く。
そして、見上げたアデルが行った時と同様に紙袋二つのみを持っているので、不思議に思った。

「何かを買いに行ったのでは?」

アデルは微笑を浮かべただけで、答えなかった。
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