金色の師弟

荷物が増えていないということは、何も買ってないのだろうか。
そもそも、何のために店に向かったのか。
わからないことばかりで、尋ねようとルイが口を開くタイミングと同時に、アデルがルイの名を呼んだ。

「ルイ」

「はい?」

出鼻を挫かれ、会話の主導権を奪われる。

「パーティーが始まる前に、俺の部屋に来い」

「何故ですか?」

「着替える前のほうが都合がいいな」

「……」

ルイの問い掛けは無視し、話を進めていくアデル。
こうなってしまえば、ルイはアデルに従うしかない。
無理難題を要求されているわけではないので、困りはしないが納得出来ない。

ルイの表情から不満を察したアデルは、可笑しそうに笑った。

「別に取って食おうとかそういうんじゃない。渡したいものがあるだけだ」

アデルは口角を吊り上げ、妖艶な笑みを浮かべルイを見下ろした。

「後のお楽しみ、な?」

有無を言わせぬアデルの声音に、ルイは不安を抱きながらも頷いていた。
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