金色の師弟

抗議の意味を籠めてアデルを睨むルイ。
真っ赤な顔で悔しそうに見上げている姿に凄味はなく、アデルはつい吹き出してしまう。
そして、急に笑みを潜めるとそっとルイの耳元で囁いた。

「……そうだ、それでいい。俺だけを、見ていればいいから」

その言葉に、ルイは真っ赤な顔で俯いて、はっきりと頷いてみせる。

「わ、私は、今までずっと、アデルさんだけを見ていたんです。ずっと……ずっとです!」

しどろもどろなのは、足元のせいではないだろう。
珍しく可愛いことを言ってくれる。
アデルは、ルイの腰に回した手に力を籠めた。
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