☆消えてしまったわたしの赤ちゃん☆14歳の妊娠・・・ ~セックスを軽く考えないで~
淡々といじめのことを語る梓。


しかし心に負った傷は大きい。


わたしは彼女の過去を初めて知り、ただただびっくりして、どう声をかければよいのか分からなかった。


表には見えない心の奥深くに、彼女の心の傷は隠されていたのだ。




いじめのことを、あんなに淡々と客観的に話せるだけでも、梓はすごい。


わたしは思った。


わたしだったら、きっと・・・、泣いてしまうだろう・・・。




「わたしもいじめられてた・・・。」


ややあって、わたしは口を開くと梓に言った。


「何となく分かってたよ。」


梓は言った。


「わたし、全然気づいてなかった・・・。梓がそんなひどい目にあっていたなんて・・・。梓ってかっこいいし、いじめとは無縁な感じがしてたから・・・。」


「まぁ、そうだろうね。心の傷って、体の傷と違って、隠されていて見えないものだから。

何事も平和が一番だよ。世の中も、家の中も、学校も。わたしたちの高校は平和的で、うまくいきそうだからよかったけど。美里にも出会えたし。」


「うん、そうだね。わたしも高校で梓に会えて、すごい嬉しいよ。」



「あのさぁ、わたし思うんだけど、」


梓は考え深げな様子で、わたしに言った。


「いじめって、いじめられるほうだけじゃなくて、いじめるほうもかわいそうなんじゃないかなぁ?」


「えっ・・・?」


わたしは驚いて梓を見つめた。




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