☆消えてしまったわたしの赤ちゃん☆14歳の妊娠・・・ ~セックスを軽く考えないで~
「美里ちゃん、はじめまして。」


梓のお兄さんはにっこりして言った。


「きみのことは、梓からよく聞いてるよ。」


「あっ、あの・・・、さっきはすみませんでした・・・。」


わたしは頭を下げた。


「あぁ、そんなこと、別に気にしなくていいよ。」


梓のお兄さんはのんびりした声で言った。


何となくこのしゃべり方は、梓がしゃべっているような感じがする――。


「部屋間違えることなんて、たまにあることだし。おれなんて、先輩の家に行ったときに、間違えて先輩の親父さんの部屋、開けたことあるよ。

その先輩の親父さんというのが、社交ダンス好きで、楽しそうにときに人形を抱いて踊ってたときに、おれががばっと開けてしまったというわけ。あのときは、さすがにその場で、固まってしまったなぁ。」


「そうなんですか・・・。」

わたしがもじもじしながら返事をしていると、となりで梓がくすくす笑い始めた。


「おれは剛っていうんだ。よろしく。」


梓のお兄さんはわたしに手を差し出した。


大きな手だった。



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