☆消えてしまったわたしの赤ちゃん☆14歳の妊娠・・・ ~セックスを軽く考えないで~
わたしたちは一目につきにくい場所を探した。


そして大きな観葉植物の鉢植えのそばに置かれた、誰も座っていないベンチを見つけ、そこに二人で腰を下ろした。



わたしはゆっくりと梓に話し始めた。


元彼との間に赤ちゃんができてしまったこと。


産みたかったけれど、みんなから反対されて、中絶したこと。


赤ちゃんがかわいそうで、泣きながら謝ったこと。


友達だと思っていた人に中絶のことを打ち明け、裏切られたこと。


中学校でのひどいいじめのこと。


そして自殺未遂のこと。



涙をこらえていても、どうしても話しているうちに、涙がこぼれてしまう・・・。



わたしの話を聞き終わると、梓はわたしの体に腕を回して、ぎゅっと抱きしめた。


「美里、ごめんね・・・。」

 梓はささやいた。

「そんなに辛い想いをしてきたのに、全然気がつかなくて・・・。

わたし、美里がいじめられてたことは、何となく感じてたけど・・・、でもそんなに辛いことがあったなんて・・・。


美里はずっと悲しみを抱えてきたんだね。本当に辛かったよね。

わたしの前では、無理しなくていいんだよ。泣きたくなったら、いつでもわたしのそばで泣いていいんだからね。」



< 292 / 392 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop