Together~キミと一緒に~
「結局、再婚はしなかったわけですけど。」
「ごめん。真菜はすぐに結婚しちゃうんだろうなって思ってたから・・・」
「圭太さんの方が早かったのね。」
「いや、その・・・」
ここは、二人だけにした方がいいのかな。
ゆっくり話したいことがあるだろうし。
「斉藤さん。」
「ん?なに、真里亜ちゃん。」
「ちょっと、席外しませんか。ママたちきっと話したいことがあるはずだし。」
「真里亜」
「そうしようか。じゃぁジュースでも買いに行こう。」
「はぁい。じゃぁパパ、ママ行ってきます。」
「でも」
「ゆっくり話してください。」
「・・・すみません。」
パパが斉藤さんにそっと頭を下げると、私と斉藤さんは病室を出た。
ただいま、待合室で時間をつぶしています。
斉藤さんは、さっきからケータイとにらめっこ。
私は、ジュースと格闘中。
あと一口くらいで終わっちゃいそうなジュースを少しずつ飲んでいた。
少しでも長くパパたちが話せるように。
今頃何を話してるのかな。
と、気になるもののそれはパパたちの秘密だから。
でも、パパたちが駆け落ちって意外だったな。
確かに、パパもママも若いけどまさか駆け落ちだなんて思わなかったし。
あの写真に映ってたパパとママも若かったな。
「真里亜ちゃん。」
「あ、はい。」
「そろそろ、戻ってみようか。30分経ったから。」
もう30分か。
話、終わったかな。
「そうですね。」
私は残っていたジュースを口に含み、ペットボトルをゴミ箱へ入れて斎藤さんと病室へ向かった。