Together~キミと一緒に~
少し経って斉藤さんも来て「よかった!」って言ってくれた。
それからは、4人でずっと話をしていた。
ママが今までどうやって過ごしてきたのか。
どこに住んでいたのか。
再婚について考えたりしたのかどうかまで、いろんなことを聞いた。
そして、私はパパとママにある質問をしてみた。
「どうして、ママとパパは離婚したの?」
この前聞きそびれてしまったこと。
今、ちゃんと聞きたいと思った。
「それは・・・ね。」
ママがパパの顔を見る。
するとパパは私にそっと話してくれた。
「真菜とパパは、その・・・駆け落ちだったわけでだな。」
「駆け落ち?」
「でも、結局はダメだったの。」
「真菜の親父さんが亡くなったって知らせが入ったんだ。そこで、家に戻ったら・・・」
「戻ったら?」
「親父さんの仕組んだことだったんだ。あの元気な親父さんがそんなに急に亡くなるなんてありえなかったんだよ。」
「もしかして」
「そうよ。家に戻されちゃった。」
戻されちゃったって、ママ。
辛かったはずなのに、笑って言わなくてもいいのに。
「離婚しなさいって、こっぴどく言われてね。そこで圭太さんが折れちゃったのよ。」
「自分たちのためにって思ってね。だから、真菜とは離婚した。真里亜は僕が親権を持つって言ったんだ。」
「ママは反対しなかったの?」
「それも、圭太さんの優しさだってわかってたから。」
パパはママがこれから先、また再婚するようなことがあった時に子供がいたら大変だろうと思って自分が親権を取ったらしい。
せめて、私がミルクを飲まなくなって離乳食になれてくるまでは一緒にいることを許してもらってたらしい。
そして、その時が来て離婚した。