Together~キミと一緒に~

「それは、仁だって」

「俺らはまだ子供だよ。」


「はい?」


「恋なんてさ、まだまだ分かってない子供。お子ちゃまだろ。」

仁が話す言葉たちは私の心にスッと入ってきた。


でも、私が言ってるのはそういうことじゃなくて!

「寂しいって、そりゃそうだろ。人間だし。」

「仁も、寂しいって思うことあるの?」


「あるよ!ない方がおかしいだろ。一人暮らしって結構、寂しかったり?」

「そうですか。」


「でも、今日は楽しいんだよな。真里亜がこうやって近くにいて話とかできるし。」

「えっ」


「寂しいってさ、なんで?」

「・・・・・・」


言えない。
口が滑っても、仁の隣に、近くにいたかったなんて言えない。

「俺も、寂しかったよ。さっき。」

「え、なんで仁が寂しいの。」


「明日、多分俺が学校に行ってる間に真里亜は帰るだろ?」

「・・・・・・」


「家に戻って、誰もいないのって結構寂しいんだ。だから、それ考えたら寂しいなって。まぁ、俺らってただの知り合いってとこだもんな。しょうがねぇけど。」


仁の声が、少しずつ元気をなくしていくのがわかった。

声のトーンが下がって、どんどん小さな声になっていく。


私はただ黙って仁の話に耳を傾けていた。
何を言ったらいいのかわからなかったから。


「で、真里亜の寂しいって・・・どういう意味だった?」


ここで、質問再開ですか。

答えづらいな・・・。


でも、さっき仁は自分の気持ちをちゃんと言ってくれた。

なら、私もちゃんと言わないと申し訳ないような気がする。


ふぅ、・・・こんなこと言ったら仁はどう思うんだろう。


「俺は、どんなことでも聞くって言ったし。言える範囲で、どうぞ。」

「どうぞって。」


「言いやすいようにしてやったつもり?」

「なぜ、疑問形?」


「さぁ。」


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