元恋人の甘い痛み【完】


―――ドンドンドン!―――


硝子のドアを叩き誰かに気付いて貰おうとしたけど、こんな時間に誰か居る訳も無く一切の音沙汰無し。


経理課の彼女…私の後を付けてたのかしら。残業するのを見ていて態と、こんな事をしたのね。


腹立たしい様な呆れて物が言えない様な複雑な心境だわ。


「書類作成しなきゃならないのにどうするのよ…」


こんな時間だもの、誰も気付いてくれない。中庭には防犯カメラなんて無いし…警備員の見回りに賭けるしかないのかしら…。



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