元恋人の甘い痛み【完】
…まさか。
硝子越しにドアの方へと視線を流すと、其処には夕方、自動販売機で嫌味を言っていた経理課の彼女が小走りで去って行った。
まさか…鍵を掛けられた?
急いでドアノブに手を掛け開けようとしたけど、ビクともしない。
「どうして内鍵が無いのよ…」
ドアには手で簡単に開けられる様な内鍵が無く、鍵穴しか見当たらない。
と言うか、何この嫌がらせ!?
まるで小学生がするかの様な嫌がらせじゃない!どうして、こんな事されなきゃならないのよ。