元恋人の甘い痛み【完】
「有難う」
「どう致しまして」
コンビニを出て直ぐの所で、私ともう一人コツコツとヒールの音を立てながら近付いて来る人へと視線を向けた。
「あら?雷牙じゃない?」
「…お前か」
「約束をすっぽかしたと思ったら、こんな子と会う為に私を断ったって言うの?」
「まぁな」
その女性は入社早々雷牙の部屋へ迎えに行った時に居て、更には料亭でお会いした先方社長の秘書の人だった。
しかも今日も会う約束をしてたのに、雷牙がすっぽかしたみたいだし、私をじっと見据えたと思ったら雷牙の手を取りぎゅっと握り締めた。