元恋人の甘い痛み【完】
「…まさか男にお金を渡してストーカーさせてたなんて驚きだわ」
「……っ…」
「……本当か?」
「……それは…」
本当の事よ。私は確かに聞いたもの。証拠ならちゃんと持ってるわ。恵梨香が嘘を付くなら提示するつもり。
「どうなんだ?」
「……御免なさい」
「…お前に躍らされてたって訳か」
「…貴方の気を引きたかったの」
「…明日から送迎はしない。それと今日はもう帰ってくれ」
「……分かった」
恵梨香は鞄を手に取ると、私の横を通り過ぎ玄関を後にした。