元恋人の甘い痛み【完】


「アイツとは出来ても、俺とは出来ないのか?」

「ええ、そうよ」

「そうか。お前が帰ると言うなら今此処で責任を取って貰う」

「何言って…や、やめて。離れてったら」


雷牙は身を乗り出すとスカートの中へと手を忍ばせ、内股を撫でる。咄嗟に足を閉じ、雷牙の手を離そうと引っ張るもののどうにも出来ず。


それ所か雷牙は私に覆い被さると、助手席のシートを一気に背後へと倒した。


…本気だ。


「…わ、分かった。分かったから離して」


私の言葉に雷牙は瞬時に身体から手を離し、シートを元へと戻すといつもと変わらぬ無表情でエンジンを切る。


…信じられない。本当、やる事なす事が強引過ぎる。


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