元恋人の甘い痛み【完】



「ねぇ」

「何だ?」

「いい加減離して」

「断る」


手を引き離そうと引っ張るものの全くビクともせずで。結局そのままエレベーターに乗り込む事になってしまった。


元々口数が少ない人だったけれど、一言ばかりな所を見るとまだ苛立ってる感じが窺える。


互いに特に何かを話す訳でもなく静まり返るエレベーター。


やがて雷牙の部屋がある階に到着すると、エレベーターから降り雷牙について行く。


財前と一夜を過ごすつもりが雷牙となんて、どうしてこんな事になったのだろうか。


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