元恋人の甘い痛み【完】

「だが今言った事は本心だ」

「…本心ねぇ。説得力無いわ」

「だな」


啄む様な口付けを受け瞼をうっすらと開き雷牙を見つめる。さっきの言葉の意味がまた分からない。どうして私にそんな事を話したのか。


興奮を高める為のただの材料にしては…少し違和感を覚える。妙に真剣だったから。


それにこのキス。今まで何人もの男と経験したけど、こんな風に甘ったるいキスを受けた事は一度もない。


それに、凄く懐かしいキス。


雷牙と初めての時もこんな風なキスだったのを、今も鮮明に覚えてる。


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