元恋人の甘い痛み【完】


「限界だ。お前が欲しい」


唇が離れ額同士を合わされ、至近距離で見つめられながら低い声色で囁かれる。


「…今夜一度限りだけ、と…約束してくれる?」

「ああ、約束する。ただし、気が変わったらすまない」

「そんなのダメ……んっ…」


ずるい事を言うから言葉を返そうとした刹那、唇を奪われ言葉を遮られた。


ずるい感じも昔と何一つ変わってない。私は何かにつけて、昔の事と比べたりしてどうしたのかしら。


重なる唇から徐々に激しさが増し、何も考えられなくなっていく。


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