元恋人の甘い痛み【完】

どれくらいの時間が経ったのだろうか。涙が止まるまで雷牙はずっと抱き締めてくれた。


声を出して泣いたからか、それとも雷牙に話せたからか胸が若干すっきりしている。


「…私ったら、御免なさい」

「いや…お前は自分を責める事ない。最後までお前は母親の傍に居たんだ、親孝行だろ」

「…………」

「俺は元々冷たい人間だからな、冷たい言い方する様だが…もしお前が気付かなかった事に対して罪だと言うなら…お前を孤独にさせ、一人残して死んだ母親も同罪だと俺は思う」

「…………」

「お前だけが悪い訳じゃない。少なくとも俺は、お前が悪いとは思わねぇ。寧ろ過去と向き合い生きてるんだ。偉いと思うぞ」


私の頭を撫でる雷牙の手が凄く心地良い。
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