元恋人の甘い痛み【完】

――――――


朝目覚めるとまた隣りに雷牙は居らず、朝一で地方へ戻ったみたい。


ベッドに残る雷牙の残り香に何処か安心している私。


昨日の今日だからまだ情緒不安定で雷牙さえ安らぎに感じているのかもしれない。


雷牙は私を裏切った男なのに。


なのに何故今は安らぎになんてなっているのだろうか。


あの日の事は決して忘れた訳じゃない。


あんなに雷牙の事大嫌いだったのに…今は雷牙に対する見方が変わりつつある。


私の心が弱っているからだわ、きっと。
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