元恋人の甘い痛み【完】

財前の番号を入力し通話ボタンを押した。


『はい』

「私よ」

『優里か。アンタからの連絡を待ってた。で、決まったか?』

「…聞くまでもないでしょ」

『確かに。決断してくれて良かった』

「……言っておくけど、私は貴方を欲したりしない。貴方と会うのは仕事の一環だと思ってるから」

『それで構わないよ。アンタに触れられるなら、何だって良い』


そうまでして私に触れたい?


貴方が私に執着する理由が分からない。


何を考えてるのか分からない。
< 369 / 709 >

この作品をシェア

pagetop