元恋人の甘い痛み【完】
行為を終えれば手早く服を着て乱れた髪を手櫛で整える。


「我慢出来なかったとは言え、こんな所で悪かった」

「…大丈夫よ」

「もう帰るのか?」

「ええ、長居はしない主義なの。それじゃあ、さようなら」


まだ着替えていない財前を背に鞄を手にすると、有無を言われる前に部屋を出た。


外はもうすぐそこまで冬が訪れているからか、肌寒い。


今の私にはこの肌寒さが心地良い。


最寄りの駅へは向かわず暫く歩く事にした。
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