元恋人の甘い痛み【完】
一時間程してから恵梨香が来た。
恵梨香は雷牙に呼ばれた事が嬉しかったのか呑気に笑顔で入って来た。
「急に呼び出すなんてどうしたの雷牙。まさか、結婚の事」
「何ふざけたこと抜かしてやがる」
「え?」
「お前と結婚?寝言は寝て言え。毎日お前と顔を合わせるなんざ御免だ。お前の待ってる家に帰る位なら、野宿したほうが数倍もましだ」
…そんなに酷い言い方しなくったっていいじゃない。貴方の事を想う恵梨香が少し気の毒だわ。
「何言って…雷牙は母の気持ちどうでもいいの?」
「どうでもいい。たかが親の言った事で人生を左右されたくねぇ」
雷牙の言い分もごもっともだと思う。