元恋人の甘い痛み【完】
嬉しいなんてないわ。
嬉しいよりもどうやって話を付けたのかが気になる。
気になるけれど、そんな事聞けない。聞いたらなんだか、雷牙に執着しているみたいで嫌だもの。
「風呂、入るか」
「どうぞ」
「お前な。今のはつい頷いてしまって引っ掛かるって所じゃないのか」
「私にそんな事を求めても無駄よ。誘導尋問にも引っ掛からない」
「先が思いやられるな」
「でしょう?他の女みたいに可愛くないわよ私」
「女と風呂?入った事ないがな」
「…嘘?」
「嘘付いてどうなる」
…え?
あの雷牙が女とお風呂に入った事ない?嘘よね?