元恋人の甘い痛み【完】

嬉しいなんてないわ。


嬉しいよりもどうやって話を付けたのかが気になる。


気になるけれど、そんな事聞けない。聞いたらなんだか、雷牙に執着しているみたいで嫌だもの。


「風呂、入るか」

「どうぞ」

「お前な。今のはつい頷いてしまって引っ掛かるって所じゃないのか」

「私にそんな事を求めても無駄よ。誘導尋問にも引っ掛からない」

「先が思いやられるな」

「でしょう?他の女みたいに可愛くないわよ私」

「女と風呂?入った事ないがな」

「…嘘?」

「嘘付いてどうなる」


…え?


あの雷牙が女とお風呂に入った事ない?嘘よね?
< 532 / 709 >

この作品をシェア

pagetop