元恋人の甘い痛み【完】
「私も大概勝手な女だわ」
「そんな事ないだろ」
「え?いつの間に居たの?」
「今来た」
振り返るとそこには雷牙が立っており、思わず目を疑ってしまった。
…早くない?
「話はどうなったの?」
「付けて来た。もう来る事はないだろーな」
「…へぇ」
あれだけ必死だった女性と話が付いたなんて、何だか信じられない。
雷牙の事だから、また冷たい事でも言って自分の傍から離したのだろうか。
「嬉しいか?」
「まさか」
「だろーな」
ドアの鍵を開けて貰うと、玄関へと入った。