元恋人の甘い痛み【完】


「失礼します」


雷牙が中へ声を掛けてから障子をスライドさせて中へと入る。私も雷牙に次いで中へと入り顔を上げると衝撃的な光景を目の当たりにした。


「よく来たね、滝本君」

「お久し振りです」

「そちらは新しい秘書かい?」

「はい」

「初めまして。西崎優里と申します。宜しくお願い致します」

「これまた別嬪さんじゃないか」


そんな事はどうでも良い。


私が衝撃を受けたのは、先方である社長の隣りに座っている秘書らしき人に見覚えがある。


出勤初日の早朝、雷牙の部屋にいた女性だったのだ。


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