元恋人の甘い痛み【完】

雷牙はさっきの女性と居る?


引き留める雷牙に見向きもせず去った私に比べ、彼女は雷牙を追い掛けた。


きっと…今頃……。


「…っ……」


駅の改札口の前に来たけど、踵を返し、降りだした雨の中雷牙のマンションへと向かって走る。


このまま離れてしまったら、私はきっと後悔する。何も伝えないで終わるなんて私には出来ない。


あんなに一生懸命伝えてくれた雷牙の好意を、なかった事にするなんて出来ない。


何より…雷牙に会いたい。
< 577 / 709 >

この作品をシェア

pagetop