元恋人の甘い痛み【完】
雷牙はさっきの女性と居る?
引き留める雷牙に見向きもせず去った私に比べ、彼女は雷牙を追い掛けた。
きっと…今頃……。
「…っ……」
駅の改札口の前に来たけど、踵を返し、降りだした雨の中雷牙のマンションへと向かって走る。
このまま離れてしまったら、私はきっと後悔する。何も伝えないで終わるなんて私には出来ない。
あんなに一生懸命伝えてくれた雷牙の好意を、なかった事にするなんて出来ない。
何より…雷牙に会いたい。