元恋人の甘い痛み【完】
「勝手な事言ってるのは分かってる。だが…」
「私はもう誰とも付き合わない。隼人の提案には乗れない。御免なさい」
「…そ、そうだよな。おかしい事言って御免な」
隼人は私の身を離し苦笑いをした。
きっと今、隼人は苦しい筈。
だけど私はその苦しさを埋める余裕なんてないし、当分の間は遊びだろうと男は要らない。
「隼人、元気を出してね」
「お前もな」
隼人は軽く手を振ると、その場を去って行った。