元恋人の甘い痛み【完】
「…………」
雷牙は玄関のドアを開けるなり急ぎ足でリビングへと入って来ては私の身体をぎゅっと抱き締めた。
「…優里、こんな時間まで悪かった」
「…朝帰りなんて大胆ね」
「夕べは調子に乗って飲みすぎてな…そのままホテルに泊まった」
「…一人で?」
「いや、泊まる羽目になったのは何人か居たが、部屋には一人俺だけだ」
「…始発で帰って来たのね」
「ああ」
「こんな広い部屋で一人にするなんて酷いわ。雷牙の馬鹿」
「すまない。寂しかったよな。本当にすまない」
雷牙はぎゅっと強く私を抱き締めた。