As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
叱られたこともあり……




今度こそ私は、真剣に黒板へと向き合った。




…が、





森本〇オに似ている癒し系ボイスの先生の声に………






頬杖ついて、


ソレを子守唄のようにして……





私は眠りにおちていった。








…………。






ガタン!




ゴンっ……




「……いっ…たあ~い…。」





ハッと目を覚まし……



痛みが走ったおでこをおさえる。




「………うひゃっ…!」




その様子を……



至近距離でじっと見つめる男…



中道。




私の机に手をかけて……



何故か目の前でしゃがみこんでいる。




「…中道。今机揺らしたでしょ。さっきの仕返し?」




「………。」



返事は…


ない。



真顔だ。



「…何?」



恐る恐る……



もう一度問い掛ける。




「………ぷっ…、こいつヨダレ出てら。」



「……~!!」



「…なんてネ。うっそ~。」




周囲の笑いをいとも簡単にとってしまう。




「…も~、最低…。」




負け犬の遠吠えなどヤツは聞くわけもなく……



「…英語返してこねーと。」




急に立ち上がると、さっさと教室を出ていった。



人の恥を曝しておいて……。



ひどすぎる。






「…あんたいいよねぇ。」



入れ代わるかのようにして、親友で幼なじみの律が私の前の席に座った。



「…はい?気分は超最悪だけど……。」



「…ってかさ、中道。ヤケにあんたに構うじゃん?」



りっちゃんは……



チラリと隣りの席に目をやった。



「ことあるごとにからかうんだよね、あいつ。」



「ツッコミどころ満載だもんねぇ…、柚は。まあ私も悪かったよ、この度は。つい悪ノリして中道とタッグ組んじゃった。」



「…ひどいよ、ホント。」


「まあまあ、どっちにしても結果は同じだったようだし、気にすんな。しかし…、まあ、女子にやっかまれないように気をつけな?」


「…はい~?」


「かっこカワイイって人気あるんだから、中道。」


「………。どこが?」



< 12 / 739 >

この作品をシェア

pagetop