As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
「意外な展開になりましたなぁ~…。」
本日の昼休み。
アウェーな教室でのお弁当。
食欲ない私に代わって、律が私のおかずを頬張りながら呟いた。
「…これ、おいしーね。ぜんまいの煮物。」
「…………。」
「…アンタ達、訣別宣言しときながら…意味不明。」
「……意味不明は…あいつの方だよ。」
「……う~ん……。」
「何なの、ホント。人のことてんで無視してたくせに、訳わからん。」
「う~~~…ん。」
「大体、この状態で指揮者と伴奏者って。どうやってコミュニケーションとればいいのよ!それに…あいつと一緒にいると、また変な噂になるでしょう?どういう意図があんのさ。」
「…まあまあ、どうどう…。」
「…あたしゃ馬か!」
「…上手いね、ソレ。アンタが馬なら、中道はじゃじゃ馬ならしってとこ?」
律は手を叩いて笑った。
「なるほどー…、アンタを上手く扱えるのって確かに中道くらいかもね。」
「はあ?」
「なんだかんだ喧嘩しながら、アンタのいいようになるじゃない。それってきっと、中道がうまいこと導いてるってことかも。」
「…………?」
「…コンビ復活、いいと思うよ?友達に戻るきっかけを…中道なりにつくりたかったのかもね。」
…………。
「………。さあ…、どうだか……。」
その日結局中道とは……
話なんてすることもなく、
もちろん目が合うこともなく、
それぞれ、いつものように……
部活へと向かった。