As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
「……さっき撮った写真、ちゃんと見た?」



「……え?」



私はもう一度その写真を眺める。




「あんたは緊張でガチガチだったけどさ……」



「…………。」



「あいつ、超嬉しそーに笑ってるし。」



「……そう?」



……無表情に近い私のすぐ隣りで……


屈託ない笑顔で笑う中道。




「結と一緒にいる時は…、あいつ、アンタみたいな顔ばっかしてた。」



「………。」



「……同情?正義感?いや、よくわかんないけどさ……、一緒にいてやることで……結を守ろうとしたのかもな。」



「『守る』って……?」



「…結はさ…、色んな意味で目立ってた。明るくて、やっぱ男から見たらカワイイし…、で、言い方悪いけど……割と男を取っ替え引っ替えしてたじゃん?まあ、本命もちゃんといた訳だけど。」



「………。」



「当然の如く、女を敵に回したんだろーな。最初仲良くしてた女子とも一緒にいることなくなって……、なんつーか、浮いた存在になってた。でも気にするっていうよりさ、いつも通りに振る舞ってたよ。元々器用だろ、あいつって。だから何でもできるし、普段通りにしてたことが……、そっくりそのままやっかみに繋がっていった。……って、俺の見解。表だって何かされてんのを見たんじゃないけど、女子ってうまいことそういう人の目ぇかいくぐって陰湿なことすんじゃん?」




「………。」



「…そんな時に、タイミングよく中道が現れた。二人が付き合ったらますます反感くうかと思いきや……、しっかりと盾になってた。」



「…………。」



「…柚ちゃん、知ってる?」



「……?なに……?」



「結さ、随分前に……中道に告白してさ。……思い切り、振られてたんだ。」



「…………!」



「…しかも、『好きなヤツいるから』って。誰だったんだろうな、ソレ。」



「…………。」



「…なのに……、後々、二人は付き合った。……ちょうど…、アンタと里中が噂になった辺りに。」



「……そう…だね。」




「…変な話だよなあ、アンタと中道がキスしたとか、妙な噂まで流れて……。」




「…………。」



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