As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
私はキョロキョロと周囲を見渡し、近くにいるクラスメイトから声をかけていった。
「ありがとう。」
クラスメイトにそう言われて少し気分が上々。
そのうち、わらわらと生徒達が集まり…、
私は数種類の煎餅を並べ、一人ずつ選んでもらった。
「…で?いつから付き合ってるの?中道と。」
一人の女子生徒が…
煎餅を頬張りながら、
突然、
そんな質問をぶつけてきた。
「………はいっ?」
待って?
待て待て?
まさか…?
みんなの視線が、一気に私に集まった。
もちろん、頼みの綱の律は知らんぷりを決めこんでいて…、
嫌でも何かしらの返事をしなければならない、そんな状況。
幸いと言うべきか……。
中道はまだ登校していない。
「…私は……、付き合ってない。」
ハッキリきっぱりと…
言い切った。
「え~?目撃情報あるのに?」
「てか、二人でデートしてたの噂んなってるよ?」
「……。だから、私じゃないって。だいたい何で私が中道とデート?」
「だって仲いいじゃん?」
「え~?喧嘩ばっかだよ、いつも。」
「けど前からそんな噂だったし……。付き合ってないにしろ、ぶちゃけどうなの?柚と中道、お似合いだと思ってたんだけど。」
…どうって言われても……。
中道には、好きな人がいるんだし……。
「…中道は好きだけど…、友達以上に考えられない。…てか、考えたことない。」
一瞬……
教室がしん…と静まり返った。
「…え?」
それもそのはず。
いつの間にかみんなの視線は………
輪の一番後ろから顔を覗かせているアイツ…、
中道へと向けられていたのだ。
……中道……。
いつ……?
いつからそこに…?